『カメラを止めるな!』は三部構成!?日暮監督に学ぶクリエイターの在り方

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劇中劇→舞台裏→エンドロールの三部構成!?

『カメラを止めるな!』は、

1.劇中劇『ONE CUT OF THE DEAD』約37分
2.その舞台裏を描く本編約60分

という二部構成になっていると先ほど書きました。

 

椥辻夕子
椥辻夕子

我々夫婦としては、さらにもうひとつ

重要な構成が隠されていると主張したい!

3.真の制作現場を描くエンドロール約3分半

それぞれの構成について、アツイ想いを語っていきます。

1.『ONE CUT OF THE DEAD』は狂気の沙汰

『ONE CUT OF THE DEAD』(以下、ワンカット)は、ゾンビ映画の撮影中に本物のゾンビに襲われるという、いかにも自主制作映画でありそうなストーリーです。しかし、この短編映画のイカれたところは、

約30分ノーカット、しかも生中継で行われるということ。

「ゾンビ・チャンネル」とかいうゾンビ映画専門チャンネルの開局記念だかなんだか知りませんが、ハッキリ言って企画者は頭おかしいです。

椥辻夕子
椥辻夕子

さて、映像業界一筋の夫氏よ。
約30分ノーカット生中継、ってどう思う?

夫氏
夫氏

僕は絶対にやりたくないです(棒)

そもそも、「ノーカット」というのはテレビ的な言い方です。映画では「長回し」と呼ばれる、カットを変えずにカメラを回し続ける技法のこと。

椥辻夕子
椥辻夕子

長回しの長編シーンといえば、どの映画?

夫氏
夫氏

アルフォンソ・キュアロンの『トゥモローワールド』!

中盤の戦場を駆け抜けるシーンは長回し界の革命だった

椥辻夕子
椥辻夕子

私は『エディット・ピアフ 愛の賛歌』の

ぐるぐる回るあのシーンかなぁ

両作品で登場する長回しは、いずれも数分のシーンです。それでも緻密に計算されたカメラワークと役者の集中力が要求される、とても高度な演出なのです。

 

だからこそ、37分の長回しは狂気の沙汰としか言えません!

夫氏
夫氏

劇中のプロデューサーたちは
映画作ったことがないねん。

無茶かどうかもわかってない

普通はカメラを複数台使って、スイッチング(画面を切り替えること)をします。カメラが複数台ないとどうなるか。

  • 画角が変わらないからテンポが悪くなる
  • 「カメラの移動」や「役者の出入り」など、見せたくないものが映る
  • カメラマンの存在が視聴者に伝わってしまう
椥辻夕子
椥辻夕子

実際、『ワンカット』でも無駄に

ダラダラしたシーンがあったよね

夫氏
夫氏

でも、あえてカメラ1台で挑むからこそ、
作品をおもしろくするアイデアが出たんだ

「どうやって長回しで撮るか?」を、精いっぱい考えた経緯と結果がそのまま映画になっているのが『カメラを止めるな!』のおもしろいところなのです。

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2.舞台裏を描く本編(ネタばらしゾーン)

『ワンカット』上映に続いて、制作の舞台裏が描かれていきます。

まずは時系列が一か月遡り、制作の経緯やキャラクターたちの背景などが描かれます。そのあとに、約37分間ノーカットのゾンビ映画がどのようにして撮影されたのか、視点を変えてなぞっていきます!

夫氏
夫氏

ネタばらしゾーンは、
すべてが『ワンカット』のための
伏線といっても過言じゃないな

 

日暮監督の奥さんが元役者だということも伏線。役者を辞めてから趣味を転々とし、今は護身術にハマっているというのも伏線。「事務所がゲロNGなんで~」も伏線。音声役の人が軟水しか飲めないのも伏線。カメラマンが腰痛持ちなのも伏線。

 

すべてが伏線です。

 

そして、『カメラを止めるな!』を唯一無二のゾンビ映画にしているのは、

伏線は回収するものじゃない。
伏線は後から置いていくものだ!

……というスタイル。これに尽きます。

夫氏
夫氏

観客は結果をあらかじめ観てるからね。
伏線が出てきた瞬間、思い出し笑いする

椥辻夕子
椥辻夕子

しかも、伏線を回収するシーンを

裏側からもう一度観られるわけでしょ。

そんなん笑うわ、伏線のテンドンやんけ

 

このネタばらしゾーンにおいて観客を笑わせ感動させるのは、演出かと思いきやトラブルを回収するためのアドリブだった! という伏線の数々でしょう。

 

例えば、ゾンビ映画(またはパニック映画)ではお約束の、地面に落ちたカメラが悲劇の瞬間を映している……という演出

『ワンカット』ではそれらしい演出っぽく見えていましたが、実は腰痛持ちのカメラマンが腰をいわして本当に倒れこんでしまったからでした。

その後カメラを拾い上げたのはカメアシ。カメラマンにダサイと一刀両断にされた(これも伏線)、「ズームイン・ズームアウト」という技法を使いつつ役者たちを追いかけるのです。彼女のナイスなアドリブによって、生中継は続けられたのです。

 

椥辻夕子
椥辻夕子

そうそう、趣味を尋ね合うシーンが

やたら冗長だったのは、

裏でトラブルがあったからやね

夫氏
夫氏

ところが、あのダラダラさが、

その後の「ガターン!」を

逆に引き立てている

椥辻夕子
椥辻夕子

トラブルが演出に昇華した!

夫氏
夫氏

しかも、ここでアドリブとして登場した

護身術の「ポン!」も、あとで出てくる。

この伏線が回収されたときは笑ったわ

椥辻夕子
椥辻夕子

トラブル→演出→伏線という

実に巧妙な展開ですなぁ

 

なお、抱腹絶倒な伏線の数々については、こちらのサイトで面白おかしく丁寧にまとめられていました。視聴後の興奮を追体験できました(笑)

【伏線回収!】映画「カメラを止めるな」の伏線を全てまとめました|デガログ
映画カメラを止めるなを一度鑑賞したあなたにむけて、伏線回収、ネタバレまとめを作成しました。「護身術ポンッ」「こんなところに斧が。ついてるわ」といった名シーンについて解説します。
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3.真の映画制作を描くエンドロール

『カメラを止めるな!』本編の真のエンドロールこそ、我々が提唱する第3部です。約3分半のなかで、劇中劇『ワンカット』を実際にどうやってとったか、真の映画制作が描かれています。

カメラに映らない位置(木の影)に隠れるスタッフとか。

こっそり水分補給するカメラマンとか。

何よりもおもしろいのが、「どこが脚本上のトラブルで、どこが撮影中のガチトラブルか」が真のエンドロールを観れば垣間見えてくることです。

夫氏
夫氏

落ちたカメラをカメアシが拾い上げた後、

草むらでこけるシーンあったでしょ

椥辻夕子
椥辻夕子

あったあった!

やたら生々しい追跡シーンだった

夫氏
夫氏

エンドロールを見ると、あれはガチで

撮影中にすっ転んだんだっぽいね。

脚本にはなかったんじゃないかな

椥辻夕子
椥辻夕子

マジか! ふつう、転んだら

テイクやり直すよね?

夫氏
夫氏

撮影中に転んでしまった、というトラブルも

演出の一部に変えたんだと思うよ。

カメラアシスタントの女性に、同じ場所で転ぶよう

後から脚本に書きくわえたんじゃないかな

また、劇中劇『ワンカット』のエンドロールでは、五芒星を俯瞰で撮影して終わります。ネタバラシゾーンでは、俯瞰撮影用のクレーンが落下して壊れてしまい、組体操の「人間ピラミッド」で高さを出すという無茶な撮影方法がとられます。

なお、このシーン、真のエンドロールでは「脚立」を使って撮影しています。

椥辻夕子
椥辻夕子

そりゃそうだ。
人間ピラミッドなんか思いつくよりも前に、
脚立でも箱でも机でもなんでも探すわフツー。

でも、それを言ったらあの感動のラストはないんですよね。突拍子もないアイデアが生まれ、それに飛びついてしまう、という熱に浮かされた感じも、まさに映画制作の現場!って感じです。知らんけど。

 

もしかしたら、2019年3月8日放送の金曜ロードSwow! の副音声では、実際の撮影時に起こったガチトラブルや演出裏話などが聞けるかもしれませんね。

 

第1部、劇中劇『One Cut of the Dead』
第2部、その制作舞台裏を描くネタバラシソーン。
第3部、真のエンドロール。

この『カメラを止めるな!』はつまり、たった一回の視聴で3回も美味しくいただける映画なんです。

夫氏
夫氏

スペシャルエディションとして、
画面分割で舞台裏を観たいわ

椥辻夕子
椥辻夕子

『24トゥエンティー・フォー』的な?

夫氏
夫氏

そうそう。このシーン、

実はこうやって撮ってました!

というのを並べて観てみたい

椥辻夕子
椥辻夕子

それ需要ある?
マニアックすぎひん?

 

 

次ページでは、主役であり劇中劇では監督兼役者を務めた「日暮監督」に注目して、クリエイターとしての、仕事人としての在り方を語ります。

「早い・安い・質はそこそこ」の日暮監督マジ有能説

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