【電子書籍の書き方】元編集者が教える競合分析!原稿を書く前に売れ筋を読め

ライティング
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電子書籍は今や個人でも簡単に出版できる時代!

原稿を出版社に持ちこんだり自費出版したりするよりもハードルは低いです。ePubや端末の知識がなくても、電子書籍を取り扱う出版社や代行業者と提携すれば、ぶっちゃけ「書く」だけで出版可能なんです。

私・椥辻夕子は、電子書籍専門出版社である 株式会社まんがびと様 から約70本の電子書籍を発行してきました(2019年1月現在)。

椥辻夕子
椥辻夕子

まんがびと様と出会ってから4年、

70本を書かせていただき、一部は

シリーズ化もさせていただきました

私が電子書籍作家として活躍できているのは、ひとえに株式会社まんがびとの平田社長のおかげ。しかし当然のことながら、執筆にあたって自分なりに工夫していることもあります。

元編集者の経験を活かして、執筆前には必ず競合分析をしているんです!

椥辻夕子の売れ筋作品と残念作品

まずは、私・椥辻夕子の著作から「売れ筋作品」と「残念作品」をご紹介しながら、競合分析の重要性についてお伝えします。

「競合分析のやり方だけ知りたい!」という方は、次の章まで飛ばしてください。

単体で一番売れたのは「ダラダラ癖を直す教科書」

2015年5月に発売し、初年は100冊以上売れた月が数か月続きました。

電子書籍に限らず、書籍や商品は発売初月が一番売れます。その後はカーブを描いて急降下し、死に筋になっていくのですが、これは長く売れてくれました。

 

おそらく、競合分析をして見極めたターゲティングキーワード設定がうまくいったのだと思います。

これは、「ダラダラ癖」に悩む人に向けて、9つの習慣を身につければダラダラしなくなるよ!という内容を約8,000文字にまとめた本です。「毎朝1分読むだけ」という、株式会社まんがびと様オリジナルのフレームに当てはめたのが功を奏しました。

ターゲット=ついダラダラしてしまう人にとって、

  • 身につけるべき習慣が「9つ」
    →自分でもできそう!と思える数値目標だった
  • 「毎朝1分読むだけ」でいい
    →自分でも続けられそう!と思ってもらえた
  • 約8,000文字で10分で読める
    →最後まで気軽に読めそう!と思えるボリューム

これらの点がマッチしたため、多くの人に買ってもらえたのだと自己分析しています。

 

息の長い売れ筋テーマは「文章術」「文章力」系

発売は2015年1月と2015年8月です。単体でものすごく売れたというよりも、「文章術」「文章力」に関する本は、いずれも細く長く売れ続けているのです。株式会社まんがびと様が定期的に値引きセールなどを行っていただいているのもあるかもしれません。

発売から3年以上経った2018年12月でも、10~30冊程度売れています。ゆるやかなカーブを描いて売上は落ちていますが、まだまだロングセラーを狙えるコンテンツです。

 

私が元編集者であることから、株式会社まんがびとの平田社長が提案していただき企画がスタートしました。競合分析をしたところ、「文章力」や「文章術」というテーマが、時代を問わずニーズの高い売れ筋テーマであることがわかったんです。

何を出してもそこそこ売れそうな感触はありました。しかし、競合書籍は山のようにあったので、フレームで勝負することにしたのです。

  • 「毎朝1分読むだけ」で文章力が高まる
    →ほかの本よりもやりやすそう!と思ってもらえた?
  • 読むだけじゃなく「7日間プロジェクト」は実践的
    →ほかにはない独自のメソッドが目を引いた?

独自のメソッド・独自の切り口で競合書籍と差別化することも重要ですね。

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書きたくて書いた神話のエッセイはほとんど売れず

 

ほとんど売れない本も、当然あります。発売初月ですら片手で足りるほどしか売れず、その後も鳴かず飛ばず……

当時、別のお仕事で読み込んでハマッていた神話についてなにか書いてみたい!と、平田社長にムリを言って書かせてもらった本でした。

 

ギリシャ神話に目をつけたのは、スマホゲームの「パズドラ」などでよく取り扱われる題材だったから。流行っているだろうし、あわよくば!という安易な考えだったことを認めます(笑)

この本が失敗した要因はおそらく3つ。

  • テキストのみの本書は魅力に欠ける
    →神話に関する競合本は「イラスト」重視型が売れ筋
  • 研究者でもない無名の作家のエッセイなどニーズがない
    →競合本の作家様たちをよく分析しなかった
  • たいしたボリュームでもないのに2分冊にしてしまった
    →競合の多くが1巻完結

このように、「書きたくて書いた」「流行っているから書いた」本はそう簡単に売れないことがわかりますね。

 

次の章より、いよいよ本題です。

「編集者時代にやっていた競合分析」と、それを「電子書籍執筆に応用する方法」をご紹介します。

 

1.市場規模を推定→Googleのヒット件数&トップ記事

まずは、市場規模を推定します。

市場規模が大きければ大きいほど、読者層の分母が増えます。もちろん、小さくてニッチな市場でもトップシェアを狙えるなら参入の価値があります。

例えば、私は編集者時代に資格学習書を担当していました。

資格学習書の読者は、その資格の受験者です。
毎年7千人が受験する京都検定よりも、毎年10万人が受験する介護福祉士資格の方が市場規模が大きいですよね。
一方、毎年3~5千人程度しか受験しない気象予報士試験は、難易度が非常に高く合格率は5%前後。つまり、約95%の人が繰り返しチャレンジするので、延べ人数で見ればこちらも売れ筋になる可能性を秘めています。

こういった視点から、市場規模を推測し参入可能性をはかるわけです。

Googleでキーワード検索→ヒット件数やトップ記事に注目!

電子書籍の場合、市場の規模というよりもニーズの規模と言ったほうがいいかもしれません。

書こうとしているテーマにどれくらいのニーズがあるかを知るためには、とりあえずGoogleで検索してみましょう!

例えば、先ほどご紹介した椥辻夕子の著作の場合……(2019年1月現在)

  • ダラダラ   → 1030万件
  • 文章 書き方 → 2550万件
  • ギリシャ神話 →  875万件

このように、ヒット件数を見ただけで「ギリシャ神話は可能性ねーな」ということが一目瞭然なのです。キーワードを変えたり組み合わせたりすることで、より細かくニーズの規模を推定することができます。

 

さらに、せっかくGoogleでキーワードを検索したのなら、トップページに出てくる記事をいくつか読んでみましょう。Wikipediaや「○○とは」などの概要を列挙したページではなく、サイトや個人ブログなどがおすすめです。

どんな記事がトップに上がっているのかを知ることで、隠されたニーズに気づくことができるからです。

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2.競合本さがし→書店&「キーワード+本」で検索

続いて、競合本をさがします。

紙の本の場合は、書店に足を運ぶのがてっとり早いです。コーナーに行けば売れ筋・定番がズラリと並んでいるので、手に取って中身を見ながら「この本をモデルに、これよりいい本を作ろう」と決めればいいわけです。

 

このとき注意したいのが、複数の書店を見て回ることです。

陳列のしかたは書店の担当者によって大きく異なります。あっちの書店ではAという本が大々的に押し出されていたとしても、こっちの書店ではBという本のほうが売れていたりします。

陳列の強弱だけでなく、そもそも仕入れている本に差があることも。書店によって得意とする取次や出版社が異なるうえ、出版社側もパワーをかけて営業する書店とそうでもない書店の差が出てしまうからです。

複数の書店を見て回ることで、幅広く本を手に取ることができますし、真の売れ筋を見抜くこともできるのです。

リアル書店を見て回る&「キーワード+本」で検索

電子書籍の競合分析においても、リアル書店をまわってみることをおすすめします。

ネットの海だけでは把握しにくい情報もあるからです。書店の規模にもよりますが、「コーナー自体が小さい」「季節によって拡大縮小する」「書店規模大小問わず必ずコーナーがある」などの傾向がつかめることでしょう。

 

それとは別に、「キーワード+本」で検索する必要があります。

これから電子書籍を出版しようとするあなたがもっとも注目すべき電子書籍オンリーの競合本は、当然ながらリアル書店には置いていないからです。また、リアル書店に並べられているのは「売れ筋」「定番」「新着」だけです。幅広い視点で競合本を見つつ、売れ筋を把握しておきましょう。

 

3.実売データの分析→「売れている順」で検索

編集者時代、企画を練る時は必ず主要取次会社や大型書店チェーンの実売データを分析していました。

紀伊國屋書店が提供する「パブライン(PubLine)」や、大手取次である日販が提供する「トリプルウィン」などのPOSデータをもとに、どの本がどれくらい売れているのかを分析するのです。

残念ながら、これらのデータベースは書店や出版社向けのものであり、個人では使用できません。

Amazonや楽天ブックスで「売れている順」「レビュー件数順」

そこで、Amazonや楽天といったインターネット書店を活用しましょう。

「キーワード+本」で検索したら、「売れている順」や「レビューの件数順」で並べ替えてください。

どんなタイトルが流行りか、どういう切り口の本が売れているのか、どんな作家さんが売れているのか、表紙はどんな雰囲気が流行りか、などを見ます。

売れている本にはどのようなキーワードが含まれているかもチェックしてみてください。そのキーワードに乗っかるべきかどうか、検討する余地があります。

ストア全体はもちろんのこと、「電子書籍のみ」に絞り込むのも忘れずに。

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4.実際に本を購入して中身を分解する!

資格学習書の編集をしていた時は、競合本は最低3冊購入しました。3冊とはいえ、その資格に参入している出版社が少ないと、書店に並んでいる競合本をほぼ全冊買うことになります(笑)

実際に競合本を手にして、やるべきことはたくさんあります。

  • 台割に落とし込んでみる
    →総ページ数は? 一章何ページ? 巻末に索引はある? など
  • 紙面構成を比較してみる
    →何段構成? 見出しは何層構造? 用語解説はどこにある? など
  • 手に取った重さや厚みを体感する
    →持ち運んでいつでもどこでも勉強できるサイズが人気な資格もある

電子書籍の場合はボリューム(文字数)や章構成を分析

電子書籍の場合も、競合書籍を実際に読んでみることは大切です。紙の本と電子書籍に関係なく、実物を購入して読んでみましょう。

電子書籍の場合は、価格に対するボリューム(文字数)に注目してください。

安くてたっぷり読めるのがいいとは限りません。ボリュームが大きすぎるからと敬遠する読者層もいるからです。だからこそ、競合本と同じくらいのボリュームを目指すとよいでしょう。

章の構成も分析の価値があります。

どういった内容をどのような順番で解説するか、それぞれの章のボリュームはどれくらいか、その本で読み足りないと感じたことはないか、などが執筆のヒントになります。

 

書きたいものを好きなように書くのもいいよね!

……と、ここまで「売れるためには競合分析を!」と主張してきましたが……

 

本音を言うと、書きたいものを好きなように書いていいと思います。

 

「電子書籍を出版したい!」と考える人は、書くことが好きな人書きたい何かがある人です。

ぶっちゃけ、電子書籍を出版するより、ただお金を稼ぎたいだけならアルバイトでもした方がよっぽど稼げます(笑)お金儲けがしたい人におすすめできる方法ではありません。

売れることばかり考えているのは、つまらないですよね。ハウツーやノウハウにがんじがらめになって、そのうち書けなくなるでしょう。

 

書いたものが売れるとモチベーションを維持できるのも事実ですよ。

私が4年にわたって70冊を書き続けることができたのも、書いたうちの何冊かがそこそこ売れてくれたからこそ。

「書きたいものを書く」ことと、「売れるように書く」ことを両輪にすれば、電子書籍執筆を楽しく長く続けられると私は思います。

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